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歯と年齢の方程式


歯と年齢の方程式

歯と年齢は一つの方程式で表せるのか!今回はその数式の導き方のレポート


「真夏の方程式」ならぬ「歯と年齢の方程式」

真夏の方程式(引用:Wikipedia)
真夏の方程式(引用:Wikipedia)

福山雅治が演じる湯川学准教授が活躍する東野圭吾の推理小説。そのガリレオシリーズ第6弾・映画「真夏の方程式」は、夏が近づくと毎年思い出す。


少年の夏休みの経験?が絡むテーマは、自分の記憶かと錯覚するぐらい心に突き刺さっている。その映画の中のシーンで、ペットボトルロケットの軌道を物理学的に証明する場面がある。小学生の少年相手に手を抜かない湯川准教授の圧巻のシーンである。


今回のレポートは、「歯と年齢の方程式」。何となく残存歯数と年齢は相関関係があるような感じがするが、これを方程式でズバッと表してみたい。


なぜなら「現象には必ず理由がある」からである。


​​「歯と年齢の方程式」は2次関数

歯と年齢の数式は、ネットで検索しても見つからなかった。

こんなことを考えるのは私だけなのか。


​しょうがないので、自力で導いてみることにした。​

結論から言うと、年齢をXで歯の数をYとすると2次関数で表せた。それが以下である。

歯と年齢の方程式(2次関数)
歯と年齢の方程式(2次関数)

歯の残存歯数 = 0.0052 ×(年齢の二乗)- 0.3159 ×(年齢)+ 24.078

ただし、14 ≦ X(年齢)≦ 85

​(最新版平成28年歯科疾患実態調査データより)

「歯と年齢の方程式」(2次関数)の根拠説明

​それでは、この二次関数の導き方を説明したい。


​(1)googleで「歯科疾患実態調査 厚生労働省」を検索

(2)「調査の結果」の「統計表一覧」をクリック

​(3)最新の「歯科疾患実態調査」のデータをダウンロード

(4)データをExcelで開く。

​(5)表Ⅲ-2-2a「1人平均現在歯数・健全歯数・う蝕(DMF)歯数、年齢別(5歳以上・永久歯)」を開く


画面の年齢セルと現在歯セルの列を選択する。(図1)

年齢をX軸、現存歯をY軸とした折れ線グラフを作る。(図2)

(図1)歯と年齢の方程式①EXCEL画面・歯周疾患実態調査
(図1)歯と年齢の方程式①EXCEL画面・歯周疾患実態調査
(図2)歯と年齢の方程式②全年齢・歯周疾患実態調査
(図2)歯と年齢の方程式②全年齢・歯周疾患実態調査

ここで、右上の図2を見ていただきたい。二か所、気になるところが存在する。


(1)14歳以下が年齢ごとに歯の数が増えている。

このグラフからわかる通り、14歳以下は歯が生えそそっていない時期と言える。

すなわち14歳以下は歯が萌出してくるので、毎年歯が増えている。


(2)85歳以上にバラつきが多い。

85歳を超えると歯が増えたり減ったりの幅が大きくなる。この原因は、対象者の少なさから誤差が出やすい状況が生じたと考えられる。90歳を超えると全国調査にもかかわらづ、対象者は各年齢1名~2名となっている。今回の方程式作成にあたり、ある程度対象者の多い85歳までを上限とした。


よって今回の方程式は、年齢が「14 ≦ X(年齢)≦ 85」とした。

そのグラフは、下の図3のようになる。

(図3)歯と年齢の方程式③(14歳以上85歳以下)・歯周疾患実態調査
(図3)歯と年齢の方程式③(14歳以上85歳以下)・歯周疾患実態調査

ここで、折れ線グラフを「散布図」に変更する。

そのまま折れ線グラフから方程式を導くこともできたが、数式は不正確なものであった。


最初、折れ線グラフから数式を導いた私は、なぜうまくいかないかわからなかった。

結果として、単なるEXCELの「仕様」だと知った時は愕然とした。

結論は、近似曲線を探すにあたり、EXCELの仕様なので、散布図に変換するしかありません。

(以下引用)

「歯と年齢の方程式」の近似曲線を探す

(図4)歯と年齢の方程式④散布図・歯科疾患実態調査
(図4)歯と年齢の方程式④散布図・歯科疾患実態調査

上の図4が、折れ線グラフを「散布図」に変更したグラフである。


​次にこのグラフに近似曲線を追加する。近似曲線のオプションは「指数近似」「直形近似」


「対数近似」「式近似」「累乗近似」「平均近似曲」などがあるが、それぞれの近似曲線を作ってみた。


​それが以下の図である。

(図5)歯と年齢の方程式⑤対数近似曲線
(図5)歯と年齢の方程式⑤対数近似曲線
(図6)歯と年齢の方程式⑥線形近似曲線
(図6)歯と年齢の方程式⑥線形近似曲線
(図7)歯と年齢の方程式⑦式近似曲線
(図7)歯と年齢の方程式⑦式近似曲線
(図8)歯と年齢の方程式⑧累乗近似曲線
(図8)歯と年齢の方程式⑧累乗近似曲線

「歯と年齢の方程式」の数式を導く

上の図5~図8の赤線の近似曲線を比較してもらえばわかるが、残存歯数と年齢は「式近似曲線」を描いていると言える。(図7)​


​ここまでわかれば、あとは簡単である。EXCELの近似曲線の書式設定の下の方にある「グラフに数式を表示する」にチェックを入れるだけで、EXCELのが勝手に方程式を計算してくれる。

EXCEL「グラフに数式を表示する」
EXCEL「グラフに数式を表示する」
残存歯数と年齢の方程式⑨数式付グラフ
残存歯数と年齢の方程式⑨数式付グラフ

​最後に

歯と年齢の方程式
歯と年齢の方程式

「オイラーの等式」ほど美しさはないが、なぜか不思議さを感じる。


自然界で生物が歯を失うという一見ランダムにおこっている事が、実は一つの数式で表せるという事実。この世界は神のみぞ知る予定調和の世界なのかもしれない。


​「実に面白い」


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