歯と年齢は一つの方程式で表せるのか!今回はその数式の導き方のレポート
「真夏の方程式」ならぬ「歯と年齢の方程式」
福山雅治が演じる湯川学准教授が活躍する東野圭吾の推理小説。そのガリレオシリーズ第6弾・映画「真夏の方程式」は、夏が近づくと毎年思い出す。
少年の夏休みの経験?が絡むテーマは、自分の記憶かと錯覚するぐらい心に突き刺さっている。その映画の中のシーンで、ペットボトルロケットの軌道を物理学的に証明する場面がある。小学生の少年相手に手を抜かない湯川准教授の圧巻のシーンである。
今回のレポートは、「歯と年齢の方程式」。何となく残存歯数と年齢は相関関係があるような感じがするが、これを方程式でズバッと表してみたい。
なぜなら「現象には必ず理由がある」からである。
「歯と年齢の方程式」は2次関数
歯と年齢の数式は、ネットで検索しても見つからなかった。
こんなことを考えるのは私だけなのか。
しょうがないので、自力で導いてみることにした。
結論から言うと、年齢をXで歯の数をYとすると2次関数で表せた。それが以下である。
歯の残存歯数 = 0.0052 ×(年齢の二乗)- 0.3159 ×(年齢)+ 24.078
ただし、14 ≦ X(年齢)≦ 85
(最新版平成28年歯科疾患実態調査データより)
「歯と年齢の方程式」(2次関数)の根拠説明
それでは、この二次関数の導き方を説明したい。
(1)googleで「歯科疾患実態調査 厚生労働省」を検索
(2)「調査の結果」の「統計表一覧」をクリック
(3)最新の「歯科疾患実態調査」のデータをダウンロード
(4)データをExcelで開く。
(5)表Ⅲ-2-2a「1人平均現在歯数・健全歯数・う蝕(DMF)歯数、年齢別(5歳以上・永久歯)」を開く
画面の年齢セルと現在歯セルの列を選択する。(図1)
年齢をX軸、現存歯をY軸とした折れ線グラフを作る。(図2)
ここで、右上の図2を見ていただきたい。二か所、気になるところが存在する。
(1)14歳以下が年齢ごとに歯の数が増えている。
このグラフからわかる通り、14歳以下は歯が生えそそっていない時期と言える。
すなわち14歳以下は歯が萌出してくるので、毎年歯が増えている。
(2)85歳以上にバラつきが多い。
85歳を超えると歯が増えたり減ったりの幅が大きくなる。この原因は、対象者の少なさから誤差が出やすい状況が生じたと考えられる。90歳を超えると全国調査にもかかわらづ、対象者は各年齢1名~2名となっている。今回の方程式作成にあたり、ある程度対象者の多い85歳までを上限とした。
よって今回の方程式は、年齢が「14 ≦ X(年齢)≦ 85」とした。
そのグラフは、下の図3のようになる。
ここで、折れ線グラフを「散布図」に変更する。
そのまま折れ線グラフから方程式を導くこともできたが、数式は不正確なものであった。
最初、折れ線グラフから数式を導いた私は、なぜうまくいかないかわからなかった。
結果として、単なるEXCELの「仕様」だと知った時は愕然とした。
結論は、近似曲線を探すにあたり、EXCELの仕様なので、散布図に変換するしかありません。
(以下引用)
「歯と年齢の方程式」の近似曲線を探す
上の図4が、折れ線グラフを「散布図」に変更したグラフである。
次にこのグラフに近似曲線を追加する。近似曲線のオプションは「指数近似」「直形近似」
「対数近似」「式近似」「累乗近似」「平均近似曲」などがあるが、それぞれの近似曲線を作ってみた。
それが以下の図である。
「歯と年齢の方程式」の数式を導く
上の図5~図8の赤線の近似曲線を比較してもらえばわかるが、残存歯数と年齢は「式近似曲線」を描いていると言える。(図7)
ここまでわかれば、あとは簡単である。EXCELの近似曲線の書式設定の下の方にある「グラフに数式を表示する」にチェックを入れるだけで、EXCELのが勝手に方程式を計算してくれる。
最後に
「オイラーの等式」ほど美しさはないが、なぜか不思議さを感じる。
自然界で生物が歯を失うという一見ランダムにおこっている事が、実は一つの数式で表せるという事実。この世界は神のみぞ知る予定調和の世界なのかもしれない。
「実に面白い」
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